HENNGEのプライド月間 職場で多様性を受け入れる

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2023年6月、ダイバーシティ(多様性)とインクルージョン(包括性)を大切にするHENNGEは、「プライド月間」を祝うイベントを開催しました。
プライド月間とは一体何なのか、そしてなぜSaaS企業であるHENNGEがこのようなイベントを開催したのか。
広報部門でインターンをしている私、Chiが、1ヶ月にわたって社内で行われた様々なイベントに参加してみました。

■プライド月間とは?

そもそもプライド月間とは、6月に行われるLGBTQ+(性的少数者)コミュニティの国際的な祭典・記念行事のことです。
6月がプライド月間と呼ばれるのは、1969年6月28日にアメリカで起きた「ストーンウォール暴動」がルーツとされていて、当時LGBTQ+コミュニティのメンバーが不当な弾圧に立ち向かったことが、LGBTQ+の平等を求める運動の火付け役となったと言われています。

近年、ダイバーシティとインクルージョンに対する意識は高まりつつありますが、多くのLGBTQ+の人々は、いまだに職場や医療、その他さまざまな生活場面で不平等な扱いを受けています。
そのため年に一度のプライド月間は、LGBTQ+への意識を高め、LGBTQ+の人々がありのままの自分を受け入れてもらえる環境をつくる機会になっています。

プライド月間を象徴するレインボーフラッグ

■プライド月間とHENNGE

ダイバーシティの啓発は大切なことですが、「HENNGEのようなIT・SaaS企業がなぜプライド月間をサポートしているのか?」と思われる方も多いのではないでしょうか。

HENNGEでは最近外国籍メンバーが急増しており、現在全体の約2割が海外出身です。社内に外国籍メンバーが増えたことで、私たちはお互いの違いを尊重し、挑戦を評価するようになり、より変化や多様性を受け入れやすい組織に転換する好循環が生まれました。
このようにHENNGEは「多様性」こそがビジネス拡大に有効だと考えており、HENNGEで働くすべてのメンバーを尊重し、受け入れ、平等を大切にする職場文化を維持できるよう努力しています。

その中の一つの取り組みとしてHENNGEは、LGBTQ+の人々が自分らしく働ける職場づくりを進める一般社団法人work with Prideのメンバーとして活動しています(詳細はこちら)。
さらに2023年には、LGBTQ+について学べるイベント「東京レインボープライド」に初めてブースを出展し、パレードにも参加しています。

2023年4月、東京レインボープライドに参加したHENNGE

このような活動を進める中で今回、社内コミュニケーションの強化や社内行事を担当する部署「Internal Relations and Communication Section」が、ダイバーシティとインクルージョンの推進活動をより進めようと、プライド月間のイベントを1カ月にわたって開催したのでした。

■イベントの告知

6月が目前に迫ったある日、全メンバーが参加しているslackの#officialチャネルに、イベントの告知動画が投稿されました。
動画では、社長の小椋さんが誰もが自由に自分らしくいられ、最高のパフォーマンスを発揮できる環境を作ることの大切さを強調したほか、LGBTQ+コミュニティのメンバーでもある、採用部門のSonamさんと開発部門のRobさんが、プライド月間の取り組みについて発表しました。

小椋さん、Robさん、Sonamさんが登場する告知動画の一部

■イベントの始まり

いよいよ6月に入り、待ちに待ったプライド月間イベントの始まりです。

渋谷オフィスに置かれたカラフルな「プライドウォール」には、性別を限定しない言葉の使い方やプライド月間の歴史を紹介する展示物のほか、参加型アートプロジェクト、メンバーが身につけたり配ったりできるプライド缶バッジ、LGBTQ+についての書籍などさまざまな展示があり、HENNGEメンバーの誰もが参加できる賑やかな空間になりました。

LGBTQ+関連書籍やプライド缶バッジなど

参加型アートプロジェクトでは、HENNGEメンバーが自分自身や他者、個性などを受け入れることへのメッセージを書いて貼っていました。

HENNGEメンバーからの応援メッセージが貼られた参加型アートプロジェクト

■「プライドコミュニケーションランチ」で理解を深める

イベント期間中はほかにも、HENNGEメンバーがオフィスに集まり一緒に昼食をとる「プライドコミュニケーションランチ」が行われました。
ランチの前半では、LGBTQ+コミュニティのメンバーのRobさんによるプレゼンがあり、プライドの意味や、LGBTQ+コミュニティについて解説してくれました。

プライドについて話すRobさん

ランチの後半では、いつものようにさまざまな部署のメンバーと交流しました。

ランチでは、私はRobさんと同じテーブルに座ることができました。
彼は母国アメリカから日本に働きに来る際、「ありのままの自分を受け入れてもらえるかどうか心配だった」と打ち明けました。でも、HENNGEがダイバーシティとインクルージョンを受け入れていると知り、「安心したし、職場でありのままの自分でいられる自信につながった」と話していたのが印象的でした。

ランチではプライドについて学ぶだけでなく、HENNGEの多様性をより深く理解する機会になりました。

プライドをテーマにしたカラフルなマカロン

■プライドトークでHENNGEメンバーの体験を聞く

プライド月間のラストは、トークイベント「プライドトーク」でした。
イベントではHENNGEメンバー3人が登壇し、彼らの体験談や経験、考えを通じてLGBTQ+について理解を深め、一人ひとりが「Ally(アライ・LGBTQ+の人々を理解しサポートする人)」になるにはどうすべきかを考えました。

まずは、Robさんから再び話を聞く機会がありました。
彼は男性が多い環境で育ちながら、自分のセクシュアリティに気づいた経験を語ってくれました。ゲイとして直面した困難や、母国アメリカと日本の文化の違いのほか、日本のLGBTQ+コミュニティで外国籍として暮らす体験についても話してくれました。

日本でゲイとして生活する経験について話すRobさん


次にSonamさんが登壇し、母国ブータンで育ちながら自身のセクシュアリティを自認する体験を振り返りました。
彼女は、当時バイセクシュアルの概念があまり理解されていなかった社会で直面した困難や、バイセクシュアルとして受けたステレオタイプや差別について、率直に語ってくれました。

「次の発言のうち、私が実際に言われたものはどれかわかりますか?
『可愛いのにバイなんてもったいないね』
『私はしばらく、バイの経験を持とうとしていたよ』
『バイセクシャルの人は混乱しているだけ』
『バイの人は信用できない。彼らは両方のチームでプレーするんだから』・・・。」

Sonamさんは、人々がバイセクシュアルについてマイナスなステレオタイプを植えつけたり、ジョークを言ったりすることについて、次のように話しました。

「私はバイセクシュアルの一人として、実際にこの全ての発言を受けたことがあります。ほとんどの発言は悪意ではなく、無知や認識不足による発言だと分かっています。
でもだからこそ、セクシュアリティとLGBTQ+の問題について、認識することと教育を進めることの大切さを強調したいんです。」


最後に、営業部門の林さんが登場し、LGBTQ+の人々の活動を支援する「ストレートアライ」としての視点から話をしました。

日本でLGBTQ+のAllyになった林さん

林さんは2023年4月、「東京レインボープライド」のパレードにDJとして参加しました。
プライドトークでは、高校時代の友人からセクシュアリティについてカミングアウトされた際のエピソードを語り、周囲のサポートがその友人にとても良い影響を与えたことを強調しました。

「同級生みんなが彼を支持してくれると分かり、彼が本当に喜んでいたのを覚えています。」

林さんは、職場で協力的なLGBTQ+のAllyになるための助言もしてくれました。
例えば、「彼氏」や「彼女」といった性別を特定する言葉を使うのではなく、「パートナー」などの言葉を使う。また、同僚からの差別的な発言を耳にした際は、「そういう冗談は周囲を不快にさせるかもしれない」と優しく注意する、などです。

プライドトークは、LGBTQ+コミュニティでのさまざまな経験を知るほか、共感すること、受け入れること、Allyでいることの大切さを強く印象づけるイベントになりました。
登壇した3人が言いにくい話もオープンに話してくれたおかげで、参加者はより彼らについて理解ができ、すべてのHENNGEメンバーが周囲から自分自身を認められ、話を聞いてもらえ、サポートを得られるという空気感が強まりました。

■イベント主催者の思いとビジョン

プライドトーク終了後、イベントを主催したInternal Relations and Communication SectionのメンバーであるAlinaさんに、今回プライド月間イベントを企画した背景や、HENNGEでのダイバーシティ促進に向けた取り組みについて聞いてみました。

今回はこんな有意義なイベントを企画していただきありがとうございます!
HENNGEでプライド月間にまつわる活動を企画した理由を教えてください。

HENNGEに入る前からダイバーシティとインクルージョンに興味を持っていて、大学時代にはこのトピックについて研究していました。
他にも、色々なマイノリティグループに属する友人がいることや、私自身が外国籍ということもあり、多様性というトピックそのものが素晴らしいことだと感じていて、日本で多様性についてもっと知りたいと思ったんです。

素敵ですね。なぜ企業がダイバーシティを推進し、活動することが大切なのでしょうか?

企業は、様々な集団に属すたくさんの個人で構成される社会で活動しています。つまり企業は、様々な人に魅力的と思ってもらえるような、安全な空間を作り出すことがとても大切なんです。
メンバーが居心地が良いと感じ、ありのままの自分でいることができてはじめて創造力を発揮し、最高のパフォーマンスを発揮できます。これはもちろん、会社の業績にも直結します。

なるほど。メンバーが自分自身を表現しやすい環境を作ることは、とても大切なことですよね。
HENNGEはこれまでプライド月間のほかに、ダイバーシティとインクルージョンを促進するためにどんな取り組みをしてきたんですか?

女性の権利支援や文化的多様性の促進、インクルージョンの受け入れを続けています。2023年の春にはイスラム教徒のメンバーをサポートするために、イスラム教の祝祭「イード」を祝うイベントを企画しました。また、外国籍メンバーが日本文化に触れられるようにも努めています。
私たちの部署の目標は、誰もが価値を認められ、尊重されていると感じられるような、多様で包括的な環境を作ることです。

今回のプライド月間イベントはいかがでしたか?

イベントは予想より参加者は少なかったですが、全体的に非常にポジティブな反応でした。
今後もより多くの方に参加してもらうために、努力しようと思います。

今後、HENNGEで多様性をさらに促進するために、どんな計画がありますか?

HENNGEが成長し続けるにつれて、より多くの多様な人々を巻き込みたいと考えています。
コミュニティ内での認識を促進するイベントや、多様性を祝う文化的イベントをより多く開催したいですし、さまざまな方法でより多くの人々を巻き込んでいきたいです。

素晴らしいビジョンですね。
最後に、職場で自分自身や個性を表現することに躊躇している方にメッセージをお願いします。

HENNGEは、本当に自分らしくいられる日本で珍しい会社です。多様性を受け入れていて、社内には多様な意見があります。
私たちは会社として先進的な考えを信じ、ダイバーシティとインクルージョンを心からサポートしているので、不安やためらいを感じている人は、自信を持って自分の個性を表現できるHENNGEにぜひジョインしてみてください。

ありがとうございます。お話できて良かったです!

■最後に

プライド月間のようなイベントへの参加は、私にとって驚くべき体験になりました。以前からLGBTQ+コミュニティのことは知っていたし、サポートしてきましたが、どちらかというと受け身の形でした。

プライドウォールに掲載されたメンバーからの応援メッセージ
今回プライド月間のイベントを通して、私生活や職場でもより積極的にサポートを示し、LGBTQ+コミュニティのAllyになる方法を学びました。また、LGBTQ+コミュニティの一員であるHENNGEメンバーの多様な経験を学ぶことで、社会の一員として私たちが直面するさまざまな課題を理解し、より共感できるようになりました。

HENNGEが成長し続け、新しいメンバーを迎え入れる中で、会社におけるインクルージョンとダイバーシティに関する取り組みが増えるのを楽しみにしています!


※HENNGEでは一緒に、 変化する・チャレンジする、 メンバーを募集しています。 募集中の職種に関してはこちらをご参照ください。