RIZAPグループ株式会社

HENNGE Oneで統合された情報へシームレスにアクセス可能、顧客接点が高まり顧客満足度も向上

  • サービス

Microsoft 365、Box、LINE WORKSなどさまざまなクラウドサービスのID管理とアクセス制限にHENNGE Oneを活用しています。

— RIZAPグループの事業戦略について教えてください

RIZAPグループは「自己投資産業でグローバルNo.1ブランドとなる。」というビジョンを掲げています。全ての人が、より健康に、より輝く人生を送るための「自己投資産業」を事業ドメインとし、世界中から必要とされ続ける商品・サービスを提供し続けることを使命に事業を推進。2020年5月には新中期経営計画の発表も予定されています。

— 目標を達成する上で、ITシステムが重要になってくるわけですね

はい。当グループでは経営改革の一環として、医療分野との連携、海外への市場拡大、グループ企業間のシナジー効果の最大化を図るとともに、今後の事業規模にも耐えうるITシステムを構築し、ガバナンス強化に努めています。事業の成長を常に先取りし、スピード感をもって整備していくことが大事です。

— 具体的にはどのような取り組みを行っていたのでしょうか

私の前任者が2016年に業務改革部を立ち上げ、最新テクノロジーを活用した業務改革の推進や、構築したシステムの現場への定着などに取り組んでいました。 その後、私が担当になってまず手をつけたのが、最先端のITを活用した基盤の整備です。例えば、それまで端末はWindows PCだけだったのですが、モバイルデバイスの活用も始めました。全店舗にiPadを、全従業員に社内電話の代わりとなるiPhoneを配布し、これらのデバイス上で業務やコミュニケーションを行える環境づくりを目指したのです。 コミュニケーションのプラットフォームについては、従来は事業部ごとに別の製品を利用していましたが、これを「Microsoft 365」に統一しました。さらに、データセンターも1カ所に集約。これにより、管理面やコスト面での負担軽減、セキュリティ面の強化を図っています。

— HENNGE Oneを採用した理由について教えてください

当グループには、あらゆることにスピード感をもって取り組むという文化が根付いています。それだけに、現場には自分たちの業務を効率化できるサービスがあれば積極的に使っていきたいという思いが強いのです。そして現在、その多くはクラウドサービスとして提供されていますが、サービスごとにIDとパスワードを入力しなければならず、使い勝手が悪いという一面もありました。こうした課題を解消する手段として、シングルサインオン(SSO)の仕組みを取り入れたいと考えたのです。 そこで私たちは、デバイスからすべての基盤と情報が統一されたスキームによって網羅され、つながる仕組みの構築を目指しました。この環境では、従業員がシステムを意識せずとも容易に情報へアクセスでき、かつ万全のセキュリティが提供されます。まさにHENNGE Oneは多くのクラウドサービスとマルチプラットフォームに対応可能で、セキュリティも強固。私たちの要求に合致していたのです。

— ほかにHENNGE Oneを選んだ理由はありますか

当社は業界屈指の体験者数を誇っており、過去約14万人もの実績をデータ化しています。また、2015年に顧客向け専用アプリ「RIZAP touch」、2017年に減量シミュレーションを行う「Navigator」、そして2018年にオンライン予約システムやカルテのデジタル化など、さまざまなサービスをリリースしており、これらを通じて蓄積したお客様のバイタルデータを詳細に分析。より的確なアドバイスを提供できることが、当社の強みになっています。 一方で、お客様のバイタルデータは特に慎重な取り扱いを要する個人情報です。そうしたデータを扱う企業としての社会的責務として、万が一にも情報漏洩は許されません。データを確実に保護しつつ、現場の利便性を向上させることを考えた結果、HENNGE Oneにおけるセキュリティの考え方やコンセプトは、私たちにとって深く共感できるものだったのです。

— HENNGE Oneの導入効果はいかがですか

2017年3月に現場へ展開しました。現在の利用者数は約2500名で、利用しているサービスは、Microsoft 365、Box、LINE WORKS、eラーニングのetudes(エチュード)などです。  当社ではお客様に寄り添い、つながりを深めていくことを何より重視していますが、今回の導入でクラウドサービスを便利かつセキュアに利用できるようになり、統合された情報へシームレスにアクセス可能な環境が構築できました。これにより、トレーニング効果が見える化。蓄積したデータに基づき、専任のトレーナーとカウンセラー、栄養士/管理栄養士、提携医師らが常に情報共有しながら、お客様をバックアップしていく体制が整いました。 結果、顧客接点が高まり、的確なアドバイスと密なコミュニケーションを通じ、お客様がジムにいる間だけでなく、むしろRIZAPが大切に考えている、それ以外の時間・ライフスタイル全般についてのフォローが可能に。CS(顧客満足度)向上にも貢献しています。今後はさらにデータの蓄積が進んでいくことで、ビックデータ分析を通じ、より精度の高いアドバイスにつながっていくものと期待しています。

— SSOのほかに活用されている機能はありますか

メールの一時保留やアクセスセキュリティなどの機能を使っています。メール送信は3分間保留することでうっかりミスによる誤送信を予防できますし、ファイルの自動暗号化は万が一データが流出した際の情報漏えいを防いでくれます。

— 今後の展開についてはどのようにお考えですか

今後は、さらに顧客接点を高めていくとともに、CX(顧客体験)だけでなく、EX(従業員体験)の向上にも努めていきたいと考えています。 また、RIZAPでは産学官連携にも積極的に取り組んでいます。例えば、2017年9月に東京大学と共同で臨床試験を実施。筋肉トレーニングを中心とした運動や蛋白質の適切な摂取により、サルコペニア(加齢などに伴う骨格筋量の低下)や手術後の合併症を予防できるか検証しました。さらに、健康寿命の延伸を目指す自治体に向けて当社の健康増進プログラム(対面プログラム)を提供したり、独自に都道府県別BMI分析などの調査も実施したりしています。こうした活動を通じて新たなメソッドを確立し、超高齢化社会を迎える日本の課題である介護予防や医療費の適正化に貢献するとともに、政府が奨励している次世代ヘルスケア産業の拡大、地域経済の活性化を目指していきます。 もちろん、当社だけではすべての領域をカバーできませんので、オープンイノベーションを掲げ、ITデバイス、ウェアラブル機器、さまざまなソフト(アプリ)メーカーの方々とアライアンスしていく方針です。

— HENNGEへの要望・期待があればお聞かせください

HENNGEには、引き続き製品の改善を進めていってほしいと思います。特に、MDM(モバイルデバイス管理)を実現してくれるとありがたいですね。当社が全社員に配布しているiPhoneは、労働時間管理のため社外への持ち出しを禁じていますが、役職者についてはモバイル利用ができるようにしています。この点、管理を徹底させる意味でも期待を寄せています。