PPAPなぜ問題?HENNGE OneとBoxでできる脱PPAPとは

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HENNGEは2023年6月、主力製品のクラウドセキュリティサービス「HENNGE One」の新機能「HENNGE Secure Download for Box」をリリースしました。
一体どんな機能なのか、大阪オフィスで西日本地域のHENNGE One営業を担当するWest Japan Sales Sectionの小笠原さんと、同じく大阪オフィスで全国を対象にHENNGE Oneご提案時の技術支援を行うPresales Engineering Sectionの谷元さんにお話を伺いました。


こんにちは!「HENNGE One」の新機能「HENNGE Secure Download for Box」がリリースされましたね!どんな新機能なんですか?

こんにちは!
メールで送る添付ファイルを自動でクラウドストレージ「Box」にアップロードできる脱PPAPソリューションです。

PPAPってあれですよね。パスワード付きのZIPファイルをメールで送り、 その解凍パスワードを別メールで送る方法ですよね。
日本ではかなり浸透していたけど、最近廃止の動きが広がっていると聞きます。

そうなんです。元々PPAPは、メールの通信経路上で中身を盗み見されたり、誤送信してしまった際に、ファイルを情報漏洩から守る目的がありました。でもPPAPは、ファイルとパスワードを同じ経路で送るのでセキュリティ面でリスクが残りますし、パスワード自体を誤送信するとどうしようもないという課題がありました。

最近はマルウェア (悪意のあるプログラム)を使ったサイバー攻撃にメールが使われるケースも増えている中、ZIPファイルはアンチウイルス製品のスキャンをすり抜けてしまうことも多く、PPAPに課題感を持つ企業が増えています。

PPAPは運用の手間も掛かりますよね。パスワードを別途送らないといけないですし、スマホにZIPファイルを開封するアプリを入れるのも面倒です。

そうですよね。そのような課題が原因で、2020年には内閣府と内閣官房でもPPAP廃止が宣言され、民間企業などでも「脱PPAP」が進んでいます。

なるほど。その流れを受けてHENNGEは2021年、HENNGE Oneの機能として脱PPAPソリューション「HENNGE Secure Download」をリリースしたんですよね。

はい。HENNGE Secure Downloadでは、送信者はこれまで通りファイルをメールに添付して送るだけで、ファイルが自動的にクラウドストレージにアップロードされ、受信者には本文と、ダウンロードURLが記載されたPDFが届きます。受信者が自身のメールアドレスの認証をリクエストすると、認証コードが別経路で届きます。

「ファイルとパスワードが同じ経路を通る」「ファイルのウイルススキャンができない」 というPPAPの課題を解決する仕組みですね! 送信者はただファイルをメールに添付するだけと、手順がシンプルなのが良いです。

受信者ごとにダウンロードURLを発行するため、第三者はダウンロードできないですし、万が一送信者が誤ったファイルを添付しても、送信後にURLを無効化できます。

発売から2年ほど経ちますが、反響はいかがですか?

非常に多くのお客様からお問い合わせをいただいていて、導入も進んでいます。HENNGE Secure Downloadを利用しているお客様からのメールを見て、興味を持って問い合わせをしてくださるケースが増えています。
2023年1月には、提供開始から約1年3カ月でこの機能でファイルを受け取っている企業様が20万社を超え、送受信で利用いただく機会が広がっています。

そのHENNGE Secure Downloadと、今回リリースしたHENNGE Secure Download for Boxはどう違うんですか?

仕組みはほぼ同じですが、HENNGE Secure Download for Boxでは送信時の添付ファイルがBoxへアップロードされます。

流れはこんな感じです。
送信者はこれまで通りファイルをメールに添付して送るだけで、ファイルが自動的にBoxにアップロードされます。受信者には本文と、ファイル共有URLが記載されたPDFが送られ、別メールで届くパスワードを使ってファイルをダウンロードできます。

HENNGE Secure Download for Boxのデモ動画

なるほど。この機能を使うメリットはどういう点ですか?

大きく三つあります。
①ユーザーのファイル共有の利便性向上(ユーザー目線)
②コンテンツをBoxに集約できる(管理者目線)
③誤送信対策も併せて実施でき、セキュリティの強度を上げることができる(管理者・ユーザー目線) という点です。

三つもあるんですね!
まず、「①ユーザーのファイル共有の利便性向上」について教えてください。

これまでBoxでファイルを送る際は、外部共有用のフォルダを作ってファイルを格納後、共有リンクを生成し、メールに貼り付けて送る流れになると思います。もし、共有リンクにパスワードをつける場合は、別途ユーザーで設定する必要があります。
HENNGE Secure Download for Boxではメールにファイルを添付するだけなので、共有リンクの発行や有効期限、パスワード設定の手間から解放され、ユーザーの利便性が高まります。

工数が削減できるのは助かりますね!
次に、「②コンテンツをBoxに集約できる」についてはいかがですか?

メール送信時の添付ファイルを、抜け漏れなく自動でBoxへ格納することができます。
この機能を利用していない場合、メールシステム側でメールへの添付ファイルの禁止をしない限り、そのままメールにファイルを添付して送信できてしまいます。
そのため、脱PPAPを目的にBoxを導入したのにも関わらず、Boxを使わずにファイルが共有できてしまうという事態が起こってしまいます。

HENNGE Secure Download for Boxなら、メールで送信したファイルをBox上で送信アドレスごと、送信メールごとにフォルダ管理ができます。フォルダ単位でのアクセス権限の設定もできるので、管理者はいつ誰が何のファイルを送ったのか一括管理ができるので、運用面でもとても便利です。

送信ファイルを抜け漏れなく、分類して管理できるのは良いですね!
最後に、「③誤送信対策などセキュリティの強度を上げられる」について教えてください。

HENNGE Secure Download for Boxは、メール送信後でも送信者、管理者がURLを無効化できるので、誤送信対策になります。
また、HENNGEのメール誤送信対策機能「HENNGE Email DLP」と組み合わせれば、取引先や送信ユーザーに合わせて、一時保留や上長承認などの誤送信フィルターを柔軟に設定できます。

脱PPAPやクラウドストレージ連携だけでなく、誤送信リスクの軽減まで、管理者の方が気になるメール送信時のセキュリティ対策を一気に叶えられるんですね!
今回、どうしてこのような機能を開発したんですか?

脱PPAPニーズの多様化もあり、お客様から「社内で使っているクラウドストレージと連携したい」「ファイルのアップロード先を自社で所有しているクラウドストレージに集約したい」などのご要望があったからです。
そこで、クラウドストレージの中でも特に連携要望が多く、高いシェアを持つBoxと連携しました。

他社製品にも似たような機能があると思うんですが、差別化ポイントはありますか?

ユーザー目線で言えば、メールにファイルを添付するだけで、共有期間設定やURLの公開期限設定、パスワード設定などの手間から解放され、かつ、セキュリティレベルを下げずにBoxを活用した脱PPAPが可能な点です。管理者目線で言えば、Boxで一括管理ができるので手間が掛からず、誤送信対策もできることですね。

市場の反応はいかがですか?

Boxは多くの企業に導入されていますが、運用の手間や共有リンクのパスワード管理の問題は共通の課題となっていて、早速多くのお客様からHENNGE Secure Download for Boxについてお問い合わせをいただいています。
HENNGE Secure Download for Boxは、受信者側のBoxライセンスは不要なので、受信者側のBox利用有無に関わらず利用できる点もご評価いただいています。

PPAP問題に悩む企業様へのメッセージなどあれば教えてください!

脱PPAPの方法について迷われたらHENNGEへご相談ください。お客様の運用に合わせた最適なご提案をさせていただきます!

本日はありがとうございました!


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