日本貨物鉄道株式会社(JR貨物)

クラウドサービスへのシングルサインオン環境をHENNGE Oneで構築

  • 運輸・物流

HENNGE OneはIDaaSの国内トップシェアで、実績も豊富なことから採用を決めました。

— JR貨物の会社概要について教えてください。

貨物鉄道輸送は、国鉄の時代から長年に渡り日本の物流を支えてきました。今ではJR貨物グループとして1万人を超える社員により、鉄道ネットワーク、不動産ネットワーク、情報ネットワーク、人のネットワークを展開していますが、これらすべての分野で全国展開を行っております。

現在、当社は新たなブランドメッセージとして「Challenge & Change 挑戦、そして変革」を掲げており、鉄道網などのインフラ資産や蓄積してきたノウハウなどを活かし、鉄道輸送を基軸とした総合物流企業グループになることを目指しており、新たな企業広告「鉄の道。」も展開しています。

— JR貨物では次世代ITインフラの整備を推進してきたそうですが、その狙いは何だったのでしょうか

当社は、近年のビジネス環境の急速な変化に対応し、持続的な成長を実現すべく、2016年に「業務創造推進プロジェクト」をスタートさせました。その施策のひとつとして、最新のIT技術を積極的に活用し、社内の業務プロセスの見直しや標準化、コンテンツのデジタル化および一元管理を推進することにしたのです。

2018年には、「いつでも・どこでも・誰とでもつながる次世代ITインフラ」を導入する取り組みをスタート。場所にとらわれず、時間を有効に活用して働ける環境を実現するため、従業員へのモバイル端末の配布やネットワークの整備を進めました。

具体的には2018年10月、本社と関東支社・東北支社の非現業部門を対象に、モバイルPCとスマートフォンを配布し、合わせてMicrosoft社のMicrosoft365も導入しました。これにより一定の効果が得られたことから、2019年12月より全国の拠点を対象に、モバイルPCとスマートフォンを配付。加えて、コンテンツ管理プラットフォーム「Box」も導入し、2020年3月までに展開作業を終了させました。

— 今回、HENNGE Oneを導入した目的を教えてください

Microsoft365やBoxといったクラウドサービスを利用していく上で課題となったのが、社内外からいかにしてサービスを安全かつ快適に利用できるようにするかという点で、そのためには複数のクラウドサービスへシングルサインオンでセキュアにアクセスできる認証基盤が不可欠と考えました。そこで、2017年7月から検討をスタートしました。2018年10月のMicrosoft365の利用開始に合わせ、HENNGE Oneを導入することにしたのです。

— 他の認証基盤も検討されたのでしょうか

当初はオンプレ型の製品も検討しました。しかし、オンプレ型では専用のサーバーを構築しなくてはなりませんし、サーバーへのセキュリティ対策も必要です。これではシステム構成と管理が複雑化してしまい、自社で運用するには負荷が大きいです。また、当社のネットワーク環境は、端末からクラウドサービスを直接利用する形態であるため、オンプレ型の認証では、当社インターネット環境にボトルネックを引き起こすおそれがあります。

そこでSaaS型の認証基盤を導入することにしたのですが、HENNGE Oneは当社要求機能を満たしており、国内トップシェアで、実績も豊富なことから採用を決めました。

— HENNGE Oneの導入効果はいかがでしたでしょうか

このたび、当社はHENNGE Access Controlを必要となる社員数分、HENNGE Device Certificate(デバイス証明書)はモバイルPCとスマートフォンの分を合わせて導入しました。また、Microsoft365のExchange Onlineの機能を補うことを目的にHENNGE Email DLP(メール誤送信対策)も導入することで、さらにセキュリティレベルを高めています。

モバイルPCとスマートフォンをセットで配布した目的の一つに、スマートフォンをテザリングと電話の両方の機能で利用することで、有線LANネットワークと社内の固定電話を廃止することがありました。導入によって異動があっても有線LANネットワークや電話工事が不要になり、スマートフォンの設定変更だけで済むので、より便利になったと感じております。

今回の導入と各種デバイスの配布により、「いつでも・どこでも・誰とでもつながる次世代ITインフラ」の実現に一歩近づくことができたと思います。実際、本社の一部と東海支社ではフリーアドレス制度をスタートさせています。今後もオフィスのかたちはさらに進化していくことでしょう。

— 今回の導入後にコロナ禍がありましたが、働き方への影響や変化はありましたか

コロナ禍が本格化したのが、ちょうど全国展開の完了後であったことから、スムーズなテレワーク対応が実現しました。一方で、コロナ禍が終息した後もテレワークなど新しい働き方は継続されると思います。実際、社内では対面に代えて、オンライン会議を活用するケースが増えました。また、コミュニケーションの手法も変わってきています。従来は電話による1対1のやり取りが中心でしたが、特にコミュニケーションツールとしてMicrosoft365のコラボレーション プラットフォーム「Teams」が加わったことで、オンライン会議でお互いに資料を見せ合うなど、情報共有しながら対話する機会が格段に増えました。

情報共有が進んだことで、ペーパーレス化も進んでいます。以前は、プリント出力した紙に上司が手書きで修正することが多かったのですが、今では画面上で共有しながら直接、やり取りして完了させるようになりました。 これにより業務のスピードが早まり、迅速な意思決定につながっています。経営層である社長や会長も率先してTeamsで会議を行っています。

— 今後のHENNGE Oneの活用についてはどのようにお考えですか

HENNGE Email DLPのメール誤送信対策などの機能をより活用していきたいですね。また、今後のクラウドサービス導入時には認証基盤のHENNGE Oneと連携させて、HENNGE Access ControlとHENNGE Device Certificateを活用したセキュアなクラウド利用を広げていきたいです。HENNGEにはサポートなどの面で引き続きご支援いただきたいと思います。