松戸市立病院

医療機関の働き方改革に、クラウドとHENNGE Oneを活用

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ドクターに負担をかけることなく、安全に情報をやり取りするためにHENNGE Oneは必須でした。

— 松戸市立病院についてご紹介ください

松戸市立病院は、急性期病院として365日24時間体制の第3次救命救急や小児医療に取り組んでいます。 附属看護学校も併設しており、臨床研修指定病院として医師や看護師の医療人の育成にも力を注いできました。また、医療の高度化、専門性の向上をめざすと同時に、地域医療機関と医療連携を密にして地域循環型医療連携を図り、地域全体で市民の健康を支える医療体制実現を進めています。 現在、2017年12月の開院を目処に新市立病院の移転・建て替えを進めているところです。

— 移転の背景について教えてください

当院は1950(昭和25)年の設立以来、千葉県東葛地域の中核病院として高度かつ良質な医療を提供してきましたが、現在の病棟は、1967(昭和42年)に開院したものとなります。 診療科や病床数の増加にともない増改築を繰り返してきたため、施設内の動線がわかりにくい状況となっています。さらに、施設の老朽化や耐震性の低さも指摘されるため、移転・建て替えの計画が進められています。

— HENNGE Oneの利用状況について教えてください

松戸市立病院では、2015年、Microsoft 365のExchange Online(以下、Exchange)を利用して、ドクターなど医療職員が利用する公式メールを導入しました。それに合わせてHENNGE Oneを導入し、自動暗号化機能を使って「送信ファイルの暗号化」と「復号化パスワード通知」の自動化を実施しています。 ただし、現時点ですべての正規雇用のドクターが公式メールを利用しているわけではありません。あくまで利用を希望するドクターが対象で、HENNGE Oneの利用者も同様となります。

— なぜ、自動暗号化の機能を導入したのでしょうか

ドクターは治療や研究活動などのため患者様のセンシティブな個人情報を取り扱います。そのため、ドクターに負担をかけず確実に送信ファイルが暗号化されるよう、情報漏えい対策および誤送信対策の一環として自動暗号化機能を導入しました。また、松戸市役所内でもセキュリティ対策として添付ファイルの暗号化を推進しています。市立病院としても、市役所と同様のセキュリティ体制を構築したいという背景もありました。

— Exchangeを選択した理由を教えてください

当院では、これまで公式メールは導入しておらず、一部の職員を除き個人のメールアドレスを使ってもらっています。しかし、現在、新病棟への移転に向けて医療環境の質を高めるため、あらゆる面から情報システム環境の整備を図っており、その一環として医療職員用の公式メールを導入することにしました。導入するメールシステムを選定するにあたり、情報システムの担当リソースに余裕はないこともあり、院内でメールサーバを構築・運用せずに済むということが第一の要件となりました。 そのため、いくつかのクラウドのメールサービスに導入候補を絞り込んだのですが、国内での契約条件やサポート体制を考慮して、信頼性が高く、実績が豊富な日本マイクロソフト社が提供するサービス(Exchange)であれば安心して導入できると考えました。 また、市役所内でも日本マイクロソフト社製品が数多く利用されているので、将来、ボリュームライセンスによるコスト削減の可能性なども考慮しました。

— HENNGE Oneを採用した理由についても教えてください

自動暗号化機能は、メールサービスを選ぶ際の必須要件として提案を依頼するベンダーには伝えていました。そのため、標準機能としてサポートされておらずオプションサービス等で実現する際の暗号化サービス選定も、プロフェッショナルであるベンダーに任せました。

細かい部分は専門家に任せた方が、時間や手間を省き、的確な情報を得られます。また、メールサービスとオプションサービスを別々に選定すると、導入サポート・アフターサポートの窓口が分かれてしまい、構築・運用の負荷が増えてしまいます。

そのため、HENNGE Oneとほかのサービスや製品を直接比較検討はしておらず、Exchangeで確実に利用できるサービスとしてベンダーから推奨してもらいました。 HENNGE Oneに関しては、送信者が意識することなく自動かつ強制的に添付ファイルが暗号化され、暗号化されたファイルを復号化するためのパスワードの通知が自動で送信されるという基本的な機能に問題はなかったので、Exchangeと合わせて採用することにしました。

— HENNGE Oneの導入メリットなどがあれば教えてください

これまでは個人のメールアドレスを使ってもらっていたため、情報の取り扱いについてもドクターに任せてきました。そのため、セキュリティ対策に関しても、ドクター個人の経験や知識によってムラが生じていた可能性があります。

HENNGE Oneを導入したことで、確実に添付ファイルを暗号化して送れるようになりました。ドクターに面倒な作業をさせることなく、メールによるファイル送信の安全性を高める体制を構築できたことが最大のメリットだと捉えています。  また、システム担当としては、このような仕組みを、手間をかけずサービスとして導入でき、運用フェーズにおいても特別な作業が不要という点も重要なポイントです。

しかも、利用を開始してから、ヘルプデスクへメール暗号化に関しては1件も問い合わせが入っていません。それだけスムーズに使えている証だと捉えています。

— 今後の展開予定などがあれば教えてください

これまで話をしたように、ExchangeとHENNGE Oneに関して、利用面、運用面でスムーズなスタートが切れました。 Microsoft 365やHENNGE Oneに関しては、機能やサービスが豊富なので、今後、利用者や利用頻度が増えてくる中で、その状況を見極めながら、ドクターなどの業務効率化や作業負担軽減、そして患者様へのサービス向上を実現できる機能があれば、導入の検討をしていきたいと考えています。

— HENNGEへの期待があればお聞かせください

安定したサービスの運用と、Exchangeの導入・サポートを依頼しているベンダーと連携しながら、これまでと変わらないレベルの高いサポートを期待しています。